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福祉とか心理とか語学とか読書とか

【500円以内】ワンコイン読書のための5冊【暇つぶし】

書籍

先日、買った本がどれも500円以内かつ面白い本だったので紹介してみる。最近高くてムズい本ばかり買ってるのもあり、読書がしんどくなってきたのが3週間前。そこで、安くて気楽に読める本を探して書店めぐりをしてみれば、「お金をかけずに面白い本を探す」行為のなんと楽しいことか!酒屋でコスパの高いワインを掘り出すのに似ているかもしれない。そんなわけで500円以内で手に入る、漫画以外の読書。これをワンコイン読書と定義し、今回の掘り出し結果を以下に示すのでございまする。そうそう、読書に安さを求めるならKindleのほうが安いのだけど、今回はあくまで紙の読書ということで。

ワンコイン読書の三原則
  • 500円以内(コスパの良さを示唆)
  • 気楽に読める(読みやすさを示唆)
  • 心にちょっとなんか残る(心地よい読後感を示唆)

 全思考 / 北野武

全思考 (幻冬舎文庫)

全思考 (幻冬舎文庫)

 

 地球温暖化も、携帯電話による人類総奴隷化も、すべての危機は、気づいたときには手遅れだ。道具の発明で便利になれば、その分だけ人間の能力は退化する。人類は叡智を結集して、破滅しようとしているのか!?生死、教育、人間関係、作法、映画―五つの角度から稀代の天才・北野武現代社会の腐蝕を斬る。世界の真理に迫る傑作エッセイ。

おもわず「たけしの全思考がたった500円かよ!」とツッコミを入れたくなる本書だが、内容は居酒屋でおっちゃんがジョッキ片手にぼやいてるものに近い。それでもビートたけしの毒舌マシンガンから北野武の緻密な芸術観に至るまで、ワンコインで堪能できるのは贅沢なのでは。 たけし劇場の半券だと思えば安いでしょ。

 メルヒェン / ヘッセ

メルヒェン (新潮文庫)

メルヒェン (新潮文庫)

 

 おとなの心に純粋な子供の魂を呼びもどし、清らかな感動へと誘うヘッセの創作童話集。「アウグスツス」「アヤメ」など全9編を収録。

土曜の昼下がり、カレー食べながら読んでた新聞記事で、この『メルヒェン』が紹介されていた。値段も手頃だったので即決購入。

【この本と出会った】美術家・ミヤケマイ「愛せるものを見つけよ」 『メルヒェン』ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳(1/3ページ) - 産経ニュース

↑の記事でも紹介されている、短編アウグスツス』は、愛されるよりも愛することの大切さを説いているわけだが、個人的にはしっくりこなかった。キンキの「♪愛されるよりも愛したいマジで~♪」が読中ずっと脳裏で流れていたせいかも。そんな天邪鬼の自分が推すのは『アヤメ』。「地上の現象はすべてひとつの比喩である」「どの子どもでも(中略)自分自身のことと、自己と周囲の世界との不思議な関係とを考えている」など、発達上の精神世界を、詩人ヘッセが示唆に富んだ表現で描き切っている。ワンコインで涙したいあなたへ。

24・7 / 山田詠美

24・7 (幻冬舎文庫)

24・7 (幻冬舎文庫)

 

1日に24時間、1週間で7日間、片時も離れない恋人同士の言葉。指先に宿る神経、涙を張らせる瞳、声を吸い込む耳…。恋をする体のための濃密な9話。

表題の『24・7』とは、"twenty-four hours a day, seven days a week(毎日24時間、週7日)"の略称で、「しょっちゅう、ずっと」の意。 登場人物はどれも40歳前後の、仕事や将来、人づきあいにくたびれたオトナたちが、やいのやいの言いながら(笑)体を重ねていくショートラブストーリー。「オレも40越えたらこんなんなるのか」とビビりながら読んでた。それにしても、恋愛小説を読むと、物語に没頭できず「四の五の言わずにカウンセリング行けよ」なんてツッコミを入れちゃうなあ。

こころの処方箋 / 河合隼雄

こころの処方箋 (新潮文庫)

こころの処方箋 (新潮文庫)

 

 「耐える」だけが精神力ではない。心の支えは、時にたましいの重荷になる。――あなたが世の理不尽に拳を振りあげたくなったとき、人間関係のしがらみに泣きたくなったとき、本書に綴られた55章が、真剣に悩むこころの声の微かな震えを聴き取り、トラブルに立ち向かう秘策を与えてくれるだろう。この、短い一章一章に込められた偉大な「常識」の力が、かならず助けになってくれるだろう。

以前買った本だけど、ちょうどいい機会なので挙げてみる。とはいえ、河合先生の本って、心理学をかじった者にとっては恐れ多すぎて紹介しづらいのよねえ。本書をざっくりいえば、臨床心理学を一般の読者にわかりやすく説いているもの。自己啓発本の要素も濃いけど、何度も噛みしめて読むタイプのスルメ本が、このお値段なのはお得すぎる。自己啓発本ってほら、ふつうに2000円近くするでしょ。

スノーグース / ポール・ギャリコ

スノーグース (新潮文庫)

スノーグース (新潮文庫)

 

 大沼のそばの燈台小屋に住む画家のラヤダーは、野生の鳥たちだけを友だちにひとりっきりで暮らしていた。ある日傷ついた白いグースを抱いた少女が燈台を訪れて…。孤独な男と少女のひそやかな心の交流を描いた表題作ほか、動物への暖かな眼差しで描かれた「小さな奇蹟」「ルドミーラ」の二篇を収録。『ジェニィ』『雪のひとひら』のギャリコが贈る、永遠に愛されるファンタジーの名作。

人と動物、とりわけ困難な状況にある人間と、彼らの傍らにいる動物とのふれあいで生まれた奇跡を短編3つでどうぞ。今回の記事で1番のおすすめ。表題の『スノーグース』の発表は1941年らしく、戦時下にあってこの物語が綴られたかと思うと、著者の作家としての意地を感じるなぁ。

 

どの本も安いばかりか、200ページ前後に収まっているので、通勤通学などスキマ時間でも読めるのがうれしい。今回紹介した本は全部合わせて税込み3000円もしないですからね!飲み会1回分の値段で、昨日の自分よりちょっと賢くなれる、楽しい気持ちになれるワンコイン読書、いかがですか!