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第18回精神保健福祉士国家試験体験記【国試本番編 二日目:共通科目】

はじめに

 精神保健福祉士の受験体験記も今回で最終回です。国家試験二日目の共通科目編の出来事を綴ります。初日の専門科目編は以下の記事にて。

interestneversleeps.hatenablog.jp

 

1月24日 午前:共通科目

二日目、共通科目の試験時間は10:00~12:15の2時間15分です。

8:30 昨日と同様、早め早めの現地入り

大寒波到来による降雪が予想されましたが、蓋を開けてみれば雲一つない快晴となり、交通機関のトラブルなく会場に到着できました。初日に比べれば、受験生の雰囲気が落ち着いたものとなり、談笑しながら開場を待つ人々が多かった気がします。とはいえ、手ぶらで喋る受験生が皆無だったのは、「常に0点リスク(=不合格リスク)が存在する」共通科目の試験を控えていたからでしょう。

9:00 着席、最終チェックは一問一答の速読で

初日と同じ席に座り、トイレ&あいさつ回りを済ませると、『一問一答』をものすごい勢いで目を通していきます。『一問一答』は左ページが問題文、右ページが解説文となっているため、右ページの解説だけをひたすら流し読みです。その勢いたるや、ここ数年で一番集中して読んだと思います。試験そのものより脳みそ使った感じ。ちなみに、朝食(バナナのパウチ)はこのタイミングで摂りました。念のため、この後にも再びトイレに行きました。

コカ・コーラ ミニッツメイド 朝バナナ 180gパウチ×6個
 
9:25 会場アナウンス、事前説明

大寒波の影響で、九州地方の試験時刻が繰り下げられたというアナウンスがありました。カンニング対策上、どんなにはやく回答し終えても、試験の途中退出を認めないとのことでした。イレギュラーな事項があったせいか、マイクで読み上げる方が何回か説明を噛んでいたのが気になりました。

10:00 試験開始

『人体の構造と機能及び疾病』回答5分。「『人体』の最初(=問題1のこと)は鬼門」とされ、受験生に食らわせる先制パンチにしては難易度が高いことで有名です。今回も乳幼児期の発達という「そんなのママじゃないとわかんない」問題でした。とはいえ、問題3(ICF)が疑いなく解ける問題だったため、0点科目は回避できました。この調子で0点リスクのない科目ばかりなら良いな、と内心思いながら次の科目へ。

『心理学理論と心理的支援』回答3分。心理系出身の自分にとって、時間と得点の稼ぎどころにしたい科目。問題10では過去に出題実績のないタイプA性格が登場しました。若干焦るものの「まじめで自滅するタイプだったはず」とうっすらとした知識で回答。問題13では開かれた質問を問う出題でしたが、「『結婚についてどのように感じておられますか』って、余計なお世話だわ」と卑屈になりながら回答しました。そのくらいの余裕はあったと思われます。

『社会理論と社会システム』回答5分。問題16(消費社会の理論)では初めましてワードが多発するなど、社会学ならではの人名ラッシュに惑わされます。問題18の人口動態は、後述の社会保障の人口動態に比べて平素すぎる出題であり、0点のリスクが減るうれしい問題となりました。

現代社会と福祉』回答10分。出題が予想されたエスピン=アンデルセン(問題22)は落ち着いて回答できました。しかし、ロールズ(問題23)、イギリスの歴史(問題24)も事前予想が的中したにもかかわらず誤った選択肢を選んでしまい、悔しい連続ミスとなりました。問題25(利用者のニーズ)や問題29(準市場=擬似市場)が簡単だったため、これまた安心して次の科目に移れました。

『地域福祉の理論と方法』回答7分。「よくわからないけど0点ではないだろうから、さっさと回答しよう」という感想です。問題34のセツルメントの歴史は悩むだけ時間の無駄だし、問題41(日常生活自立支援事業)では「成年後見と併用してたような」気がするも解答が割れている模様です。

福祉行財政と福祉計画』回答11分。一番難しいと感じた科目でした。挨拶代わりの介護保険(問題42)に始まり、「出題されたらごめんなさいしよう(笑)」とナメきっていた不服申立て(問題43)がこの科目で出題され変な汗をかいたのは序の口で、頼みの綱だった福祉事務所(問題44)さえも自信を持って回答できないありさま。問題46~48の「福祉計画」出題ラッシュに耐え切れる余力はもはやありませんでした。ボロボロになりながら「後で見直しするならこの科目からだな……」と何度も心のなかでつぶやきました。

社会保障』回答9分。問題50(社会保険と公的扶助の特質)と問題51(社会保障費用統計)が簡単だったので0点回避を確信しながら問題52(国民年金の第三号)にとりかかると、正答と思われる選択肢に登場する人物が「正規社員で週40時間勤務している妻(25歳)に扶養されている、配偶者の夫(22歳、大学生)」でした。「どこで知り合ったんだお前ら」とツッコミを入れたくなるし、「国家試験たるもの、どう見てもヒモな夫が正答で良いのか」と厚労省の思惑をも疑ってしまう、謎問題でした。解答サイトの統計を見ると、この問題52の正答率が30%程度とすこぶる悪いのは、邪推した受験生が多かったからでしょうか。ともあれ事例らしい事例問題が無かったのはラッキーです。

『障害者に対する支援と障害者自立支援制度』回答8分。個人的に点数の伸びが悪い科目でしたが、問題56(障害者差別解消法)で早々に0点リスクを回避できたことで、安心して臨めました。問題60(障害者総合支援法の都道府県の役割)、問題61(基幹相談支援センター)、問題62(現行の障害者基本法)は選択肢の文章も短く、端的に意味を問う問題だったので、惑わされずに済んだと思います。

低所得者に対する支援と生活保護制度』回答12分。悩めば悩むほどに自信がなくなる科目でした。問題63(公的扶助の歴史)、問題64(生活保護の原理・原則)のどっちかで0点は回避できたはず、と自分に言い聞かせたものの、問題67(事例問題、被保護者の社会保険適用)が単純な問題ながら難しかった。問題68(被保護者の権利・義務)の選択肢では、近頃話題のあのマンガで取り上げられたケースが出てきました。「被保護世帯の高校生のアルバイト収入は、届出の義務はない→X」だなんて、まさに第2巻で出てきたアレじゃないですか。

 読んでて良かった。快く貸してくれた友人には足を向けて寝られませんね。

『保健医療サービス』回答6分。回答に要した時間は短かったですが、「よくわからなさすぎて悩む余地がなかった」という後ろ向きの態度でした。解答サイトの講評では「一番平均得点が高い科目」とみなされていますが、自分以外の受験生のうち、手応えバッチリだった者がどの程度いたのか、気になるところです。

『権利擁護と成年後見制度』回答6分。個人的に苦手としていた科目でしたが、なんとか問題78(保佐)の時点で0点回避は果たせたと思います。事例問題の問題83(成年後見人の権限)も比較的容易に回答できました。

焦りつつも回答、慌てて見直しへ

回答ペースはこの時点で82分。共通科目で1問1分ペースは上出来です。ひとまず深呼吸をして、それから見直しに取り掛かりました。試験時間は135分だから、見直しに充てられるのは50分程度。明らかに自信のない科目(『福祉行財政』、『低所得』、『保健医療』)があったので、なるべくテクニカルな見直しを早めに済ませることにしました。

初日の専門科目での見直しと同様、「五者択二の問題で、ちゃんと2つ選べているか」「マークミス、漏れはないか」を15分程度で済ませ、その後はずっと上記3科目(『福祉行財政』、『低所得』、『保健医療』)とにらめっこしていました。最終的に全科目含めて、5問ほど最終回答を変える暴挙に出ましたが、4対1ぐらいの割合で正しい回答にできた気がします。多分。

12:15 試験終了、解散、結果は神のみぞ知る

国家試験では試験終了を告げるブザーはありません。マイクアナウンスで「回答を終了してください」との放送が流れ、試験終了となります。冒頭で記したように、寒波の影響で他会場との兼ね合いから途中退室が認められておらず、2000人近い受験生が一斉に帰り支度を始める光景は圧巻でした。なにはともあれ、第18回精神保健福祉士国家試験がこれにて終了です。同時に、PSWになるために頑張ってきた1年間、自分の努力の成果が、厚労省の元へ委ねられた瞬間でもありました。

試験終了後は友人たちと合流、そのまま居酒屋に駆け込んで、飲めや歌えの大騒ぎ……と思いきや、しんみり1年間の苦労を讃え合う落ち着いた飲み会となりました。

おわりに

さて、第18回精神保健福祉士国家試験体験記を長々とお送りしてきました。試験を経て思うのは、「やっぱり最後の最後まで0点科目におびえる運命にある」ということでしょうか。どんなに努力を重ねても、国家試験では全く同じ内容の問題は、どれひとつとして出題されないため、出たとこ勝負の要素は常に存在します。

3月の合格発表までしばらく悶々とした日々が続きますが、この気持ちを味わえるのも、受験生の醍醐味だと思いますね。人事を尽くして天命を待つのみです。時間に余裕ができたら、勉強法について細かく紹介したいですね。それではまたどこかで。ありがとうございました。

 

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