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福祉とか心理とか語学とか読書とか

韻を踏む彼氏に困った事例への雑感

はてブでも話題になってた、このヤフー知恵袋の質問を見てほしい。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 

タイトルからして破壊力充分、眉ひとつ動かさずに読むのは至難の業だろう。事実は小説より奇なりである。いや小説なのかもしれない。喫茶店でたまたま隣に居合わせたカップルが、「いい?わたしの前で◯◯くんが韻を踏めるのは1日2回までだよ」と会話していたら?自分ならコーヒー噴き出しちゃう。「一度韻を踏み出すと10分ほどラップタイムになる彼氏」という表現も恐ろしい。植村花菜の『トイレの神様』が9分51秒らしいから、あれだけの長さの時間を即興でライミングしていくわけでしょ。彼氏めっちゃ頭いいんだろなあ。

 

とはいえ、実際に支援場面でこの質問者とお会いしたらどうなるだろう。最初に思うのは、クライエントの話を冷静に聴けるかどうか。すでに何度か面接していて、たまたま彼氏の話題になって今回の悩みが出てきたのならば、いくらか笑顔でツッコめるかもしれないけど……。もし、インテーク、初対面のクライエントが涙ぐみながら話すときはどうしよう。笑っちゃいけない、笑っちゃいけないと自分に言い聞かせながら「再三の話し合いにもかかわらず、うまくお気持ちが伝わらず、辛かったでしょうね……」とでも反応するだろうか。もっとも、その場の神妙な雰囲気によっては笑う発想すら湧いてこないかもしれない。個人的には「『つい笑ってしまう自分』を自覚しつつ共感する」姿勢が理想だと思うのだけど、皆さんはどうだろうか。バイステックで言うところの、統制された情緒的関与だっけ、うん。

 

次に、今回のケースでは言葉づかいそのものが悩みの種であるから、ことさら支援者自身の言葉づかいを意識しなきゃいけない。仮に、このクライエントの前で韻を踏んでしまったらどうなるか。それこそ、地雷を踏むことになるだろう(という言い回しもまずいよね)。「♪どうよ動向、最近の病状、いくらか小康、そいつは僥倖、そうこうしてると見えるぜ方向♪」思いつくままに韻を踏んでみたが、やっぱりむずかしい。これを10分続けられる彼氏はすごい。

 

長々くっちゃべってきたけども、結局今回の記事で何が言いたいか。それは相談支援場面における話しかたへの不安である。言い換えると、これまで自分が受けてきた教育って、話す『内容』ばかりだったから、語句選択を含む『話しかた』について詳しい理解が図れてない、それが不安ってこと。What to sayだけでなくHow to speakも知りたい。言葉づかいもそう。声色もそう。場面に応じた高低音・語調を、自分の声域に合わせて発声せなアカンわけでしょ。いやーむずかしい。カラオケじゃないんだから。

 

What to say寄りの話になるが、こんな自分でも、いくつか使わないように心がけているワードがある。『頑張れ』と『大丈夫?』である。前者は説明不要だろう。ねぎらいの言葉なら「できる範囲で~」や「ベストを尽くして~」や「グッドラック」で済ませる。いささかルー大柴っぽくなるが仕方ない。後者の『大丈夫?』については、これは多くの場合、聞き手よりも話し手が大丈夫じゃないときに使う印象がある。「大丈夫ですか!?」と問いかける本人が一番テンパってるってのはよくある話でしょ。もっとも、どちらのワードも自分から言わないってだけで、他人から言われたときは「頑張ります!」「問題なし!」って返すんだけどね。これを社会性と言います(?)。

 

韻を踏みまくる彼氏から、相談支援場面の話しかたとはなんぞや、という千秋楽の白鵬関ばりに強引なこじつけをしてきたわけだが、そもそもなんでこの質問が心に引っかかってたのか。それは自分自身、ダジャレ大好き人間であり、しょうもないライミングを日常会話でたえず繰り出しているからに他ならない。今回の事例は自分への戒めとして受け取ろう。彼氏のごとく韻を踏みすぎて、彼女の虎の尾を踏まないように。同じ轍を踏まないように。二の足を……これは踏んどいたほうがいいか。

 

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