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福祉とか心理とか語学とか読書とか

テロが怖いので宗教とテロリズムに関する新書3冊読んでみた

このブログを始める動機のひとつに「積ん読・読みっぱなしの本を読み直す」というものがあって、今回はイスラム教テロリズムに関する書籍を本棚から引っ張りだしてみた。

 国際テロネットワーク─アルカイダに狙われた東南アジア / 竹田いさみ

国際テロネットワーク―アルカイダに狙われた東南アジア (講談社現代新書)

国際テロネットワーク―アルカイダに狙われた東南アジア (講談社現代新書)

 

第1章 変化するアルカイダ(アルカイダの誕生―原点は失業対策・見つけた再就職先―スーダン湾岸戦争 ほか)
第2章 アルカイダ東南アジア進出(なぜ東南アジアなのか・フィリピンに拠点を置いたアルカイダ ほか)
第3章 東南アジアアルカイダ系テロ組織(アルカイダ系テロ組織とは何か・ジェマー・イスラミア(JI) ほか)
第4章 テロの資金源(多角的なテロ資金の調達・ビンラディン系の資金ルート ほか)
終章 国際テロネットワークと向きあう(国際テロネットワークは根絶可能か・ガバナンスと治安機関 ほか)

 アルカイダ東南アジア進出をメインテーマに据えながら、オサマ・ビンラディンの出自、テロ組織の実態を紹介している。全体的に「ごくあたりまえ」の内容が多いせいか、アマゾンレビューがフルボッコである。しかし、読んでる最中は、論点が明解に示された、読みやすい文章だなという印象だった。

テロリズム発展に適した地域は存在する

ビンラディンは大学で学んだ経営学を、テロ組織の拡大発展に繋げたとされる。東南アジアイスラム系テロ組織の温床となったのには、ビジネス面で適した理由があった。『イスラム系が多い』『英語が堪能』『治安機関が脆弱である』『島国ゆえに物的・人的交流が盛ん』など挙げればきりがない。

 2時間でザックリわかる!世界の宗教問題の基本 / 保坂俊司

1章 「イスラムは過激な宗教」という罠と真実
2章 キリスト教イスラム教は近親憎悪の関係?
3章 国際ニュースの裏に宗教問題あり
4章 なぜ“宗教”は対立を繰り返すのか
5章 欧米発想の原点としてのキリスト教
6章 イスラム的思考を理解するためのイスラム教
付章 常識として知っておきたい「世界の宗教」の基本

網羅性随一、ジックリ読みたい一冊

世界の宗教とその対立紛争を網羅した一冊。各宗派に割かれたページは決して多くないものの、図表を駆使しながら懇切丁寧に紹介されている。2時間だとザックリわかるそうなので、4時間かけて読めばハッキリわかるのではないか。

 原理主義から世界の動きが見える / 小原克博・中田考・手島勲矢

原理主義から世界の動きが見える (PHP新書)

原理主義から世界の動きが見える (PHP新書)

 

 第1章 なぜいま「原理主義」を問うのか?―原理主義一神教によって開かれる問題の地平
第2章 座談会 日本人にとっての原理主義
第3章 キリスト教原理主義―変遷する原理の過去と未来
第4章 イスラーム原理主義―歪められた実像
第5章 ユダヤ教原理主義シオニズムの源流を求めて

原理主義」という名の誤解 

原理主義」というキリスト教から生まれた言葉が、メディアを通じて拡大解釈されていくうちに、「聖典主義」と混同されているばかりか、「一神教が持つ危うさ」などと否定的な意味合いを持ち始めている。キリスト教イスラム教ユダヤ教の研究者が自らの知見をぶつけ合わせた一冊。今回紹介した3冊の中でもとりわけ内容がハードで、新書にしては学術的すぎるふしはある。巻末の文献紹介はかなり充実している。

簡単な感想

どれも7~8年前に刊行された本だけど、ISILをはじめとするテロ組織の凶悪事件が世間をにぎわす昨今、「最低限知っておきたい」レベルの知識を得るには充分な内容だと思う。最近、宗教にハマってる(というとヤバい人みたいだ)ので、機会があったらまたいくつか新書を買ってみたい。

 ↓読みたい候補筆頭

イスラーム国の衝撃 (文春新書)

イスラーム国の衝撃 (文春新書)